39.北条政子(ほうじょう まさこ)は、朝廷(ちょうてい)からもらった名前

北条政子(ほうじょう まさこ)といえば、源頼朝(みなもとのよりとも)の妻(つま)で政治(せいじ)の実権(じっけん)をにぎった尼将軍(あましょうぐん)として有名な人物だよね。

ドラマなどでは、頼朝が彼女(かのじょ)を「政子」と呼(よ)んだシーンがあるけれど、それは大きな間違(まちが)いなんだ。

「政子」の名前は、頼朝が死んでから19年後、朝廷(ちょうてい)(=天皇を中心とした皇族(こうぞく)や貴族(きぞく)が政治を行う場所)が政子に位(くらい)を授(さず)けるためにつけた名前なんだ。
その時に文書に書くために、通例(つうれい)ならに夫(おっと)頼朝の名前の一字を取るところを、父親・北条時政(ときまさ)から一字を取ってその名前をつけたんだよ。

じゃあ、本名は何か、というと、実ははっきりはわかっていないんだ。

真名本(まなぼん)曽我物語(そがものがたり)によると、幼名(ようみょう)(=幼(おさな)い時の名前。昔(むかし)は大人になると、名前が変(か)わった)は「万寿(まんじゅ)」だとか、仮名本(かなぼん)曽我物語によると「朝日」だったとか言われているんだけど、確(たし)かではないんだよ。