保護者・青少年指導者の方々へ
子どもたちを導く古文書リーダー心得
子どもたちには中世の古文書が最適

古文書を体験する場合、多くの文献や古文書講座は近世(江戸時代)の古文書を取り上げていることが多いのですが、この教材では中世の古文書を取り上げています。

古文書を「読むこと」を目的化して、ある意味「くずし字」を読むだけ、中身を深くふれないで字の習得が中心という古文書体験は、子どもたちはもちろん一般的にも面白さを体験いただくことはできません。

歴史上の人物が歴史上の人物に、この日付の手紙で一体何を伝えているのか・・・
ということを、当時の背景をもとに知る方が面白い、という声や気づきが実際にとても増えています。

この教材が、子どもたちに古文書体験を提供するために中世の古文書を選んでいる点は正にそこにあります。

●教科書に出てくる有名人や、みんなが知っている歴史上の人物が書いている文書として、読みやすい中世の公文書を選択しました。

●まるで数式のように「こういう用途はこういう様式で書く」ということがハッキリしていること。

●子どもたちはビジュアルな見た目から入って行き、「こういう様式の場合はこういうことを伝えているのが普通なんだ」というパターンから入って行くことができる(入って行きやすい)こと。

●字数も多くなく、あまり崩れてない字で書かれており、くずしてあると言っても楷書と行書の中間くらいで、子どもたちにも接しやすいこと。

以上の点で、子どもたちの古文書体験には中世の古文書が最適なのです。
様式として見ても、今日みなさんが書いているものに比較的近いという性質があります。
子どもたちに古文書を体験してもらうには、正にそのように形から入って行く、楽しく面白く古文書を体験してもらうのに適しています。

これはとりもなおさず、(古文書に慣れておられない)保護者の方々や青少年指導者の方々におかれても同様です。

源頼朝 下文(くだしぶみ)
頼朝が書いたものです。このような有名な人物の文書を目にすることは、興味やモチベーションを上げることができます。
源頼朝 下文 (島津家文書 東京大学史料編纂所)

本教材では、読みやすい中世の公文書の中で、教科書に出てくる有名人やみんなが知っている歴史上の人物が書いたものを選択し、掲載しました。

その理由として

●子どもたちの知っている人物の名前が出てきたり、その人物の筆跡を見ることも出来、興味がわきやすいこと。

●子どもたちはビジュアルな見た目から入って行き、「こういう様式の場合はこういうことを伝えているのが普通なんだ」というパターンから入って行くことができる(入って行きやすい)こと。

●中世の公文書は、まるで数式のように「こういう用途はこういう様式で書く」ということがハッキリしていること。

●公文書のため、字数も多くなく、あまり崩れてない字で書かれており、くずしてあると言っても楷書と行書の中間くらいで、子どもたちにも接しやすいこと。

以上の点で、子どもたちの古文書体験には中世の古文書が最適なのです。
様式として見ても、今日みなさんが書いているものに比較的近いという性質があります。

子どもたちに古文書を体験してもらうには、正にそのように形から入って行く、楽しく面白く古文書を体験してもらうのに適しています。

これは、古文書に慣れておられない保護者や青少年指導者の方々におかれても同様です。

ぜひ、子どもたちと一緒に古文書に目を向け、体験しながら、日本の文化を根底から理解する力、地域の歴史を知り地域を担って行く感覚を育んでいってください。

そして、地域の体験活動資源の活用を促し、子どもたちの体験活動を活発化し、日本の文化を100年後も受け継いでいきましょう。

後陽成天皇 口宣案(くぜんあん)
この頃の天皇は口頭で命令や任命を下したので、間違いのないよう側近の役人がこうした文書にしたためてその部署の長官(上卿)に渡しました。
時代背景やその当時のしきたりなども伺うことができます。
御陽成天皇 口宣案 (個人蔵)

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