-古文書探検隊(たんけんたい)が行く-
古文書は世界中、それぞれの国に大切な物が残(のこ)っていそうだよね。
たくさん残っているのはどこだと思う?
ん~、ヨーロッパかな?
漢字が作られたのは中国だから、中国!
実は、日本なんだ。
日本は世界でもっとも古文書が多い国なんだよ。
お隣(となり)の国、韓国(かんこく)では高麗(こうらい)の頃(ころ)14世紀(せいき)までの古文書は60点程度(ていど)しか見つかっていない。
でも、その後の時代のものは、とてもたくさん残っているんだ。
それでも、日本は8世紀に建(た)てられた正倉院(しょうそういん)には文書が数万点、その後の平安時代のものが寺社などに4000点以上、鎌倉(かまくら)時代までのものは、ヨーロッパ全体の現存(げんぞん)数と同じだけ残っているんだよ。
その数は、中国の数倍にも達(たっ)するんだ。
日本人は昔からリユースが上手(じょうず)。
紙も貴重(きちょう)な物だったから、とても大切にしていたんだ。
もらったお手紙も、その時は「もう、いらない」と思っても、簡単(かんたん)に捨(す)てたりしないで、紙の裏(うら)を使ってノートをつくり、手習いの練習に使ったり、写経(しゃきょう=お経(きょう)を書き写すこと)や小説(しょうせつ)の書き写しを行っていたんだ。
後世になって、裏に何か書いてあることに気づき、そのノートをほどいてみたら、実は大切な古文書だったというケースもあるんだよ。
ものを大切にしていたから、大事な歴史(れきし)の証拠(しょうこ)がたくさん残(のこ)ったんだね。
これは昔の人が、古文書の保存のために綺麗にして破れないように仕上げられている古文書なんだよ。
有名な人からいただいた古文書は、大事にしたんだろうね。
今の古文書の保存の考え方との違いはあるけれども、古文書を大事に考えていたことに変わりはないよね。
今は、みんなが学校で文字を習うことは当たり前になっているけれど、昔(むかし)はそうではなかったんだ。
日本では、近世(きんせい)の中頃(ころ)以降(いこう)、都市(とし)に住む領主(りょうしゅ)が年貢(ねんぐ)を取るための伝達(でんたつ)手段(しゅだん)として、町人の生活などの権利(けんり)の保証(ほしょう)として、など、様々なシーンで文書が使われるようになったんだ。
そうすると、豊(ゆた)かな生活のためには文字を知らなくてはならないとみんなが考え始めたんだ。
だから寺子屋が増(ふ)え、文字を書く人が増え、文書の数が爆発的(ばくはつてき)に増えることに繋(つな)がったんだ。
このページで学んだことのポイントはこれだ!
整理しておくよ。
*リユースやリサイクルも古文書の保存(ほぞん)に役立っていた
*文字を書く人が増えたことが、古文書が増えた理由
なんか、うれしいね!
いろいろな理由があって、日本にはたくさんの古文書が残っているんだね。
ある県(けん)の調査(ちょうさ)では、現存(げんぞん)する文書がいつの時代(じだい)の物なのかを調べたところ、17世紀(せいき)のものは1年あたり数十点程度(ていど)だったものが、18世紀中頃には250点以上(いじょう)、それが19世紀中頃には3倍(ばい)以上の800点を超(こ)える数があったんだよ。