古文書にふれてみよう
-はじめての古文書体験-
墨(すみ)づくり・紙漉(す)き・筆(ふで)づくりを
実際(じっさい)に見てみよう
いろいろ知っててもやっぱり見てみないとね。
まずは、このページを見て、実際(じっさい)に見学・体験(たいけん)してほしいな。

なんでもそうだけど、自分の目で確かめること、自分でやってみることは大事なことなんだ。
キミたちもそれができるといいね。

見てみたいし、やってみたいし、、、

まずはこのページで勉強して、お家の人と一緒(いっしょ)に行ってみたいな~

墨づくりを見学・体験(たいけん)したよ

※下の動画では音声が出るところがあるよ!

もっとも大事な原料は、油を燃やして出てきた煤(すす)だ。これを集めるのに一苦労だよ。

※下の動画では音声が出るところがあるよ!

煤に「にかわ(動物やさかなの皮や内臓(ないぞう)などから取ったコラーゲン。
昔から接着剤(せっちゃくざい)として使われていたんだ)」と香(かお)りがよくなるために「香料(こうりょう)」を入れてよく混ぜるんだ。粘土(ねんど)みたいだ。

※下の動画では音声が入っているよ!

さあ、いよいよ墨づくりの体験だ。一番簡単(かんたん)な「握(にぎ)り墨」を作ったよ。

煤(すす)を取るために原料は主に菜種(なたね)油(ごま油、椿(つばき)油も使われるんだって。

油を燃やすための芯(しん)は「い草(いぐさ)」で作られているんだ。
「い草」は稲の仲間の植物で畳(たたみ)の材料だよ。

こうして時間をかけて1つ1つ手作りで集められた煤は、にかわと香料(こうりょう)を入れて、よく混ぜられるんだ。
足で混ぜてるね。
そして型(かた)に入れて、まずは灰(はい)の中で乾燥(かんそう)、何度も行われるんだ。最低でも1週間はかかるそうだよ。

最後は吊(つ)るして自然乾燥だ。
こちらでも最低2週間、大きなものだと3か月も吊るされるんだって。

こうして時間をかけて完全(かんぜん)手作りで作られる墨。職人さんたちの技術(ぎじゅつ)で出来上がっているんだな。

体験した「握(にぎ)り墨」は型に入れないで、手で握っただけの墨。
これも2度の乾燥を経(へ)て、だいたい1か月後に自分の家に届(とど)くんだ。
楽しみだな~。

和紙づくりを見学させてもらったよ

※下の動画では音声や音も入っているよ!

まずは和紙の作り方を見てみよう。

和紙は今から1300年前に中国から伝わった手法を日本の各地域(ちいき)で改良してきたんだ。

和紙の特徴(とくちょう)は丈夫(じょうぶ)で長持ち!
だから古文書が残っているんだね。1000年も保存されているものもあることは知ってるよね。

材料になるのは木の皮だ。
楮(こうぞ)や三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)という木が主に使われているよ。

それぞれに特徴があって、地域によっても使う材料が違ったりしてる。

そうそう、三椏で作られた紙は、手触(さわ)りが良くてインクがよくつくから、みんなが使っているお札の原料になってるんだよ。
だからお札はあんなに折(お)りんだりして雑(ざつ)に扱(あつか)われても破(やぶ)れにくいんだね。

※下の動画では音声が入っているよ!

紙漉(す)きの実際の様子を見てみよう。(福井県越前市にて撮影)

簡単(かんたん)そうだけど、とってもむずかしいんだよ。
すくい取る材料が入った水をたくさん取ってもいけないし、少なすぎてもいけない。そして均等(きんとう)に広げないとデコボコの紙になっちゃうよね。

すくう回数が少なければ薄(うす)い紙、多ければ厚(あつ)い紙ができるけど、回数も多ければいいってものでもないんだって。

そして、冷たい水でないといけないんだ。
あたたかい水では固(かた)まってしまうからなんだ。冷たければ冷たいほどいいんだって。

こうして漉(す)いた紙を乾(かわ)かせば、和紙の完成(かんせい)だ。

材料の木を育てて、収穫(しゅうかく)して、皮をむいたり煮(に)たり、混ぜたり、そして職人さんの手で紙に仕上げる。
だから紙は貴重品(きちょうひん)だったんだね。今でも和紙は高いんだ。

こういう体験(たいけん)の場所では、自分だけの和紙が作れるところもあるよ。

筆(ふで)づくり

※下の動画では音声や音も入っているよ!

筆づくりの様子も見てみよう。ものすごい職人(しょくにん)さんの技術(ぎじゅつ)が生かされているんだ。(広島県熊野町にて撮影)

筆の材料は動物の毛が中心だよ。
代表的なものでは馬・タヌキ・イタチ・鹿(しか)・山羊(やぎ)などなど。
変わったものではネコの毛、これは小さい筆に使われるんだって。
あと、水鳥やくじゃくの羽の筆もあるし、竹とか木とかの筆もある。
人の赤ちゃんの髪の毛で作る記念の筆もあるよ。

筆は作る職人さんが長い時間かけて修行(しゅぎょう)するんだ。
一人前になるのは相当(そうとう)な時間がかかるみたいだよ。

筆づくりの体験や見学ができるところがあったら、ぜひ行ってみてほしいな。
えんぴつじゃなく、筆で字を書きたくなるんじゃないかな?

このページのまとめ
聞いただけのことより直接見たり、体験するのが一番!
まさに「百聞(ひゃくぶん)は一見(いっけん)に如(し)かず」だ。

〇昔からずっと今も続いている伝統的(でんとうてき)なものを見ておこう。

〇簡単(かんたん)にはできない。
ものすごい技(わざ)をもった職人さんたちが守っている。
それは手作りだからだ。

〇これらを使うのはキミたちだ。正しい使い方も覚えよう。

やっぱりすごいんだね、ものづくりって。

こういうものを見ると、ふだんから使ってみたくなっちゃうわ。

これらの道具は特別なものに見えるかもしれないけど、以前(いぜん)はだれでも普通(ふつう)に使っていたものなんだよ。
えんぴつやペンは筆や墨だし、ノートはこういう紙を使っていたんだ。

今はどこでもわりと安く買えるけど、昔はそうではなかったんだ。
だから大事に使ったんだよ。
特に紙は何度も再生紙(さいせいし)としてリサイクルしたし、字の練習の時には字を書いた紙の上にまた書いて、紙が真っ黒になっても捨(す)てずに紙の回収(かいしゅう)屋さんに引き取ってもらって、また再生紙になって。。。

あと、伝統的な墨、和紙、筆、共通しているのは、自然のものを材料にしているってこと。
からだにも毒(どく)じゃない。
今じゃやる人はいないだろうけど、筆にはすでに墨がくっついているから、筆先をちょっと舐(な)めて、チョコチョコって書いたりする人もいたんだ。
舐めても毒じゃないよ。少し墨の味がするのと口の中がちょっと黒くなるけどね。

あっ、今売られている墨汁(ぼくじゅう)の中には毒のものもあるから舐めないでね。