古文書ってこうやって読む
さあ、今まで学んできたこと、見てきたことのおさらいをして、もっと調べてみたい人へのアドバイスをしよう。
うん。。。
でも忘(わす)れてるかも。。。
忘れてたら、前のページにもどればいいのよ。
多く残されている武家の古文書のポイントは
①日付(ひづ)け →いつ書いたものか
②差出人(さしだしにん)の名前や花押(かおう)→えらい人は花押だけのこともある
③あて名 →だれにあててだしたものか
④本文 →「事」という文字までがこの手紙のタイトル
①日付(ひづ)け →いつ書いたものか
②差出人(さしだしにん)の名前や花押(かおう)→えらい人は花押だけのこともある
③あて名 →だれにあててだしたものか
④本文 →「事」という文字までがこの手紙のタイトル
「下」という字が、目立つように最初(さいしょ)の方に書かれている。これは次で説明するよ。
武家の古文書を見ると、だいたいは、上の人の考えや命令を、えらい人自身やほかの人がえらい人に代わって下の者に書いたものだ。
こういった決まり事を源頼朝が作ったといわれているんだ。
●古文書の最初(さいしょ)の方に「下」という文字があるもの
下文(くだしぶみ)といって、身分が高い人から低い人への命令書や任命書(にんめいしょ)。
お役所からの人へ、お役所からお役所への下文もあるよ。
このページの最初の方で見た古文書がこれだ!
●本文の最後(さいご)の文に「仰」という字があるもの
御教書(みぎょうしょ・みきょうしょ)といって、家来の中でも身分の高い人が、自分の主(あるじ)の意思を伝えるために代(か)わって書いたものだよ。
●本文の最後(さいご)に「下知如件」とあるもの
下知状(げじじょう・げちじょう)といって、家来の中で身分の高い人から下の身分の人へ、自分たちの主(あるじ)の意思や命令を伝えるために書いたものだよ。
古文書っていうのは、最初に「古文書ってなに?-古文書探検隊(たんけんたい)が行く-」で学んだように・・・
〇だれかがだれかにあてて書いた物
〇差出人、あて先、日付(ひづ)け、用件(←この4つのポイント)が書いてある物
〇比較的古い、史料(しりょう)となるもの
だったね。
これまで見てきた古文書は、武家のもので身分や土地の命令書とか将軍(しょうぐん)の言葉を伝えるものなんかが多かったけど、そのほかにも公家(くげ)(=朝廷や貴族)のもの、普通の人が書いたものなど、いろいろあるんだ。
たとえば、同じ武家の古文書でも、上にあるようなお金の貸(か)し借(か)りを書いたもの。
ここからは、その時代のお金の価値(かち)やお金の使い方、武家の生活のことなんかがわかるんだ。
でもね、古文書じゃなくても大切な記録(きろく)や歴史(れきし)がわかるものもあるよ。
上にあるようなその時代に作られた法律(ほうりつ)の本なんかは、とても重要(じゅうよう)な古記録だ。
どんな決まりがあったのか、なぜそういう決まりを作ったのか、作る必要があったのかなどがわかる。
古い教科書だってそうだよ。
当時の人が何を学んだかがわかるから、これだって大事な資料だよ。
キミたちのおじいさん、おばあさん、その上のおじいさんやおばあさんが習っていたころの教科書が残(のこ)っているかもよ。
今の教科書とは全然違(ちが)うから、おもしろいよ。
ほかにもまだまだあるかもしれないね、考えてみて。
普通の人が書いたただの手紙だったり、ラブレターとか、何かの記録だったりさ。
その人と相手の関係やその時代の様子がわかるよ。
古いハガキや手紙はけっこう残っているもんだよ。
これらは大切なものだし、武家の古文書よりも読みやすいかもしれないね。
そうそう、街を歩いていて見つけた石碑(せきひ)とか道しるべ、昔からあるお店の看板(かんばん)にも古いものがあったんだったよね。
だからね、古文書のポイントに当てはまらなくてもいいじゃないか!
見つけたら見てみようよ、読んでみようよ。
一番大事なことはね、こういうところに目を向ける、興味(きょうみ)をもつということなんだ。
さあ、いくつかポイントも出てきたし、これはなんとなく見てわかるぞっていう感じになったかな?
でも、もうちょっとくわしく見てみたい、せっかくだったら読んでみたいという人におすすめなのは、インターネットの活用(かつよう)だ。
専門的(せんもんてき)な内容(ないよう)になりがちなこの分野は、本だと難(むずか)しすぎるのと高いものが多くて、とてもキミたちのおこずかいでは無理(むり)だとおもうんだ。
学校では、コンピュータやタブレット、インターネットを使っっているよね。みんなインターネットは得意(とくい)かな? うまく使おうよ。
古文書とか古文書の読み方とか検索(けんさく)するのもいいし、もっと具体的(ぐたいてき)なサイトやアプリもたくさんあるんだ。
たとえば、変体仮名(へんたいがな)くずし字はどうしても読みにくいよね。それを調べるサイトやアプリもあるよ。
辞書や辞典だって、家にあるものだけじゃなくてもネットでも調べられること知ってるかな?
花押(かおう)だって調べられたりする。
おもしろいのでは、花押を作ってくれたり、くずし字に代えてくれたりするサイトだってあるんだよ。
そういうものを活用して調べたり、研究したりすればいいんだ。
このページで学んだことのポイントはこれだ!
整理しておくよ。
〇いろいろな形式があることも思い出そう。
〇読める字を読もう。
〇インターネットでサイトやアプリを活用(かつよう)して
自分での調査(ちょうさ)にチャレンジしよう。
わ~、すごいことになってきた。
でもわかってくると、だんだんおもしろくなってきた気がする。
ワタシもおばあちゃんに聞いて、古い手紙とか出してもらって読んじゃおう。
おじいちゃんからのラブレター発見隊(たい)!なんてね。
難(むずか)しいものを最初(さいしょ)から全部わかろうとしてもムリなこと。
それをやると初めの一歩からイヤになっちゃう。
でもここにあるように、わかるところだけを見て、そこから少しずつ広げていけば、だんだんおもしろくなるよ。
古文書や古記録に限(か)らずになんでもいいから見てみること、そしてわからなければ調べることが大切なんだ。
そういえば、古い小学校の教科書が出てきたけど、このころの教科書ってもちろん白黒だし、紙もそんなにいい紙じゃない。
でもみんな大事に大事に使っていて、妹や弟がその学年になったときには使うんだ。
そして全国どこの学校でも同じ教科書だったんだよ。
今は学校によって教科書って違(ちが)うみたいだけどね。
おじいちゃんおばあちゃんに聞いてごらん? こういう話をすることも古文書のひとつのたのしみなんだよ。