保護者・青少年指導者の方々へ
子どもたちを導く古文書リーダー心得
古文書を通して子どもたちとの交流を

近年、親類縁者の間でも、その関係性が希薄になってきているといわれています。
また地域社会においても、隣人がどんな人なのかを知らないというケースが多くなっているという話や、以前から存在している町内会が成立しなくなってきているという話もよく耳にします。
地域社会においても家族の繋がりの中にあっても、将来を担う子どもたちの存在は大きいことに間違いはありません。

一方で、自分の先祖や住んでいる地域の歴史を知る人が年々少なくなっていくことは事実です。
ここで重要なことは、残したものが失われた時、その復活はほぼ皆無であるということです。

今回扱っている古文書を通して、歴史を知ることが出来る、古文書からさまざまなことを知るきっかけとなるということと共に、自分の歴史を知ることもとても大切なことであると考えています。

その方法の1つとして、まずは、親類縁者という比較的身内に近い人、身近な人、そして地域の人や地域での保管会場などの方々との交流を持ち、そこから残すべきことを次世代に繋げていくことを推奨しています。

それは本来の古文書でなくてもよいのです。
むしろ、これは古文書、これは古記録と分けない方がよいのです。

かつてはどこの家や菩提寺に記録として残しておいた過去帳、祖父の時代の古い手紙や記録、地域に残されている記録書や記念碑などなど、実は保護者や指導者の皆さんでも知らないものがあるはずです。
そういうものを見ること、そしてこれらが何を示しているのか、今に何を伝えようとしているのか、その時何が起きたのかといったことを伝えてあげることが、重要なことと考えています。

それが交流ということに繋がります。

こういったことを伝えられる人が年々少なくなっています。
是非とも今のうちに伝えられるよう、交流を図って行ってください。

(写真提供:長野歴史資料館)
各地で開かれている古文書の会や古文書講習会では、自分の家に保管されていたり奉納されている文書、書物、そして先祖の記録などを読もうとして参加する人も多いと聞きます。そしてその記録や文書を家族や次世代につなげようとしています。
〇古文書、古記録、その他のものという区別はしないこと。

〇何が書かれているのか、何を残したかったのかとともに
その当時のことを話したり、想像したりすることが大切なこと。

〇たとえ、残されている古文書、古記録などの資料がなくとも、
見たことがあった、口伝えで聞いたことがあったという話だけでもよい。