4.豊臣(とよとみ)の姓(せい)の徳川(とくがわ)将軍(しょうぐん)?

「豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)」。

普段(ふだん)みんなは豊臣秀吉と呼(よ)んでいるけれど実は正式な名前は「豊臣朝臣羽柴秀吉(とよとみのあそん はしば ひでよし)」なんだ。

「豊臣」は氏(うじ)、「朝臣」が姓(かばね)、「羽柴」が苗字(=名字)(みょうじ)、「秀吉」が実名なんだ。

なになに? 氏、姓、苗字って、今の名前のこと??

この時代、いろいろな名前を並べて、それを見ればその先祖(せんぞ)や位(くらい)などがわかるようにしていたんだ。

「氏=豊臣」というのは、一族を表したり、天皇(てんのう)からもらったもの。

「姓=朝臣」は、朝廷(ちょうてい)(=天皇を中心とした皇族(こうぞく)や貴族(きぞく)が政治を行う場所)からもらったもの。

「苗字=羽柴」は、自分から名乗ってよい名字。

今はこの3つをまとめて姓(せい)と言ってる。だいたい、「氏」を受け継(つ)いでいることが多いかな?

「名=秀吉」は、大人として認(みと)められる年につけた名前。
今の下の名前だね。

朝廷や他の大名に会う時に、天皇や朝廷から名をもらっていることやそれくらい偉(えら)いのだと見せることで権力(けんりょく)を表して、人脈(じんみゃく)(=人と人とのつながり)によって力をつけていったことが、古文書から分かったんだ。

なんと、徳川(とくがわ)の二代(だい)将軍・徳川秀忠(とくがわ ひでただ)も、豊臣姓を与(あた)えられていたんだよ。
その事実は、徳川家の資料(しりょう)からは消されているんだけど、上杉(うえすぎ)家や毛利(もうり)家などの文書に残(のこ)っていたことで明らかになったんだ。

次の江戸(えど)時代、江戸幕府(ばくふ)も松平(まつだいら)姓を諸(しょ)大名に与えたのは、秀吉をまねしたからなんだ。