29.初期(しょき)の室町幕府(ばくふ)での守護(しゅご)の権限(けんげん)

鎌倉(かまくら)時代と室町時代の日本は、今とは違(ちが)う「律令国(りつりょうこく)(=令制国(りょうせいこく)」という行政(ぎょうせい)区分があったんだ。
今の県のようなもの。

その律令国ごとに守護(しゅご)という指揮官(しきかん)が配置(はいち)されていたんだ。

その権限(けんげん)は最初(さいしょ)は軍事(ぐんじ)と警察(けいさつ)だけだったんだ。

だけど室町時代になると、だんだんその力が強くなって、年貢(ねんぐ)をとる権利(けんり)や土地を国士(こくし)に変(か)わって自分のものにしてしまう力もつけていったんだ。
そういう守護を守護大名というんだ。

でも、同じ守護でも、出身によって、また権力が違っていたんだ。

室町時代初期(しょき)には、武士(ぶし)が戦(たたか)いに貢献(こうけん)したときに与(あた)える「ごほうび」褒賞(ほうしょう)を約束(やくそく)する感状(かんじょう)は、すべて足利(あしかが)一門出身の守護だけが出していたんだ。