34.安土城(あづちじょう)は上杉謙信(うえすぎ けんしん)の上洛(じょうらく)に備(そな)えるため!?

洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)という名前の屏風(びょうぶ)があるのを知っているかな?

6つ折(お)れの屏風が2枚(まい)で1セットになっていて、俯瞰(ふかん)という高いところから見おろしたような書き方をしているんだ。

描(えが)かれているのは京都の町の様子だよ。

「洛(らく)」というのは、京都の事。
洛中洛外とは、京都の町中とその郊外(こうがい)という意味なんだ。

現在(げんざい)、168点が見つかっていて、そのうち2点が国宝(こくほう)、5点が重要文化財(じゅうようぶんかざい)に指定されているよ。

この中の「上杉本(うえすぎぼん)」と呼(よ)ばれるものは、山形県の米沢市(よねざわし)上杉(うえすぎ)博物館(はくぶつかん)に所蔵(しょぞう)されていて、国宝の一つなんだ。
御所(ごしょ)や武士(ぶし)のお屋敷(やしき)はもちろん、身分を問わず2500人もの人々が描いてあり、動物、植物、名所、祭も描いてあり、保存(ほぞん)状態(じょうたい)も良(よ)く、貴重(きちょう)な歴史(れきし)資料(しりょう)となっているよ。

室町幕府(ばくふ)13代将軍(しょうぐん)足利義輝(あしかが よしてる)が上杉謙信(うえすぎ けんしん)に贈(おく)るために、絵師(えし)の狩野永徳(かのう えいとく)に注文したんだ。

「洛に来て、管領(かんれい)という将軍を助ける役(やく)についてくれ」というメッセージをこめたんだ。
だから、それに備(そな)えるために織田信長(おだ のぶなが)は安土城を作ったらしいんだ。

だけど、室町幕府が滅(ほろ)んでしまい、屏風はそのまま絵師の所に残(のこ)っていたので、後に信長が謙信に贈(おく)ったんだ。