44.鎌倉(かまくら)時代・南北朝時代には、強力な弓があった

弓はもともと狩猟(しゅりょう)に使われていた物で、石器(せっき)時代にはすでに使われていたといわれているよ。

その後、神事の道具として使われ、また戦(たたか)いの武器(ぶき)になっていくんだ。

日本の弓=和弓(わきゅう)は、洋弓(ようきゅう)と違(ちが)って、長さが長いのが特徴(とくちょう)なんだ。

奈良(なら)時代の弓は、現代(げんだい)でも正倉院(しょうそういん)に所蔵(しょぞう)されているものもあって、最大(さいだい)のもので8尺(しゃく)5寸(すん)5分(ぶ)(=約(やく)259.2センチ)もあったんだ。

平安時代になると竹を貼(は)り合わせるなど製作(せいさく)の技術(ぎじゅつ)も進んできて、飛距離(ひきょり)が伸(の)びてきたんだ。

鎌倉(かまくら)時代になると籐弓(とうゆみ)などが出来て400メートルも飛ぶようになったんだよ。
それ以降(いこう)、5人がかりで張(は)る「剛弓(ごうきゅう)」という頑丈(がんじょう)で威力(いりょく)の増(ま)した弓も出てきて、それは、600メートルも矢を飛ばれたんだ。

軍記(ぐんき)物語だけではなく、軍忠状(ぐんちゅうじょう)という功績(こうせき)や参戦(さんせん)を記録(きろく)するに文書にも書き残(のこ)されているんだよ。

現代では、弓は、神事やスポーツとしてのみ、使われるようになったね。