47.古代の公務員(こうむいん)は午前中で仕事が終わり

奈良(なら)市のデパート建設(けんせつ)予定地で発掘(はっくつ)調査(ちょうさ)をした時に、奈良時代の古文書・木簡(もっかん)がたくさん出土したんだ。

これは、その当時の日本の首都・平城京(へいじょうきょう)の平城宮(へいじょうきゅう)(=平城京の中にあるお城と官庁街(かんちょうがい)のこと)にある皇族(こうぞく)家の跡(あと)から見つかったもので、4万点もあったんだよ。
そこには、平城宮に勤(つと)める役人の仕事ぶりが書いてあって、そこから、午後は仕事がなかったことがわかったんだ。

でも、古代の役人の朝はとても早かったんだ。
宮の周(まわ)りにある朱雀門(すざくもん)などの外門は、日の出の20分前に開けられて、宮内の朝堂院(ちょうどういん)というお仕事をする部屋はその1時間後に開いたんだ。
だから、夏至(げし)で午前6時半頃(ころ)、冬至(とうじ)でも7時50分頃には仕事が始っていたことがわかるんだ。
そうなると、夜明け前には家を出て通勤(つうきん)しなきゃならない。たいへんだね。

仕事が終わるのも早くて、朝堂院が開いてから約(やく)4時間で仕事は終わりなんだ。
そうすると、役人は宮を出て、所属(しょぞく)する役所に戻(もど)って残務(ざんむ)をしたり、帰宅(きたく)して内職(ないしょく)仕事をしたりしていたんだよ。

木簡によると、役人の勤務(きんむ)時間は、「日」「夕」「夜」の3つに分けられていて、「日」は早朝から昼まで、「夕」は午後から夕方まで、「夜」は夜勤(やきん)で、衛士(えじ)などの宮中(きゅうちゅう)の護衛(ごえい)を行っていたそうなんだ。