正解（せいかい）は「足利義詮下文」だよ。
これは足利義詮（あしかが　よしあきら）の下文（くだしぶみ）。
足利義詮は足利幕府（ばくふ）の二代将軍（しょうぐん）なんだ。

名前も実名は書かず、花押（かおう）も袖（そで）（文書の右側（みぎがわ））に挿（さ）して「花押だけで俺（おれ）が分かるだろ？」と言っているようだね。

「今川了俊書下」は今川了俊（いまがわ　りょうしゅん）の書下しだよ。
注目は名前と花押を入れる位置（いち）！
日付けの下に入っていて「日下（にっか）の花押」というよ。

あて先の「嶋津越後守殿（しまづえちごのかみどの）」とあわせて礼儀（れいぎ）正しい様式だね。

「畠山持国施行状」は管領畠山持国（かんれい　はたけやま　もちくに）の施行状（しぎょうじょう）だよ。
管領は室町幕府のナンバー２で将軍の次に偉（えら）いんだ。

名前と花押も日付けの下ではなくて、一行ずらして書いているね。
お前にはへりくだらないぞ、というメッセージなんだ。